不動産は多くの人と関わって利用するものです。
そのため、様々な人との間でトラブルが起こる可能性がありますが、人を相手とするだけでなく、不動産そのものに関するトラブルの可能性も見逃してはなりません。
そもそも、賃貸も売買もその対象は不動産なのです。
この場合、不動産トラブルと言うよりも、建物や部屋に発生するトラブルと言った方が判り易いでしょう。
例えば、建物の老朽化など。
「形あるものはいつか壊れる」という言葉があるとおり、不動産も年数を経るにつれてところどころ傷んできます。
これが、新築なのに外壁にヒビが・・・なんてことになると施工業者の不備として申し立てもできるでしょうが、新築から十数年も経っているマイホームともなると自然な老朽化としか言いようがありません。
不動産は定期的に状態をチェックする必要があります。
よく言われているのは、建築後は10年ごとに専門業者にチェックしてもらう必要があるということ。
そのうえで気になる老朽があればリフォームしなくてはなりませんし、目立つ傷みは無くても、さすがに10年を経ているともなれば住みやすさのためになんらかのリフォームが必要になるであろうことは想像に難くありません。
これは、マイホームばかりでなく投資用物件に関しても言えることです。
不動産とは生活する所。
「生活」も「命」も英語では「life」と呼ばれるとおり、人の命を預ける所が不動産なのですから、不動産の所有者は責任を持ってその状態に細心の注意を払わなくてはなりません。
不動産トラブルは誰との間で起きやすいか、という質問を受けることがたびたびあります。
一口に言ってみると「多くの人たちです」ということになりますが・・・
あくまでも例ですが、以下に書き出してみましょう。
★賃貸物件の大家さんと
賃貸マンション、アパート、あるいは借家などを利用する場合、契約に家賃の支払いにと大家さんとは様々なことで関わります。
大家さんの人柄や入居者としての態度によって、起こりがちな不動産トラブルはいくつも考えられるでしょう。
★隣家の住人と
賃貸や不動産購入に限らず、集合住宅の場合は両隣、或いは上下階の住人、一戸建ての場合は隣近所や町内会における人たちとの関係があります。
どちらも暮らし方や人付き合いに関してトラブルが起こる可能性がありますが、注意しておきたいのは、近所との関係というのは不動産トラブルに限ったことではなく、一般的な生活の上で重視すべき点だということです。
★売主、買主の間で
戸建てやマンションを売却、または購入する場合です。
新旧の居住者が関わることはそう多くはありませんが、登記手続きなどで間接的に関わる場合があります。
買主なら売主に確認しておきたいこともあるでしょう。
★その他
不動産会社、住宅ローンを借り入れる金融機関、税務署、裁判所、市町村役場、それに自分の家族や親戚などなど・・・
不動産を何らかの方法で利用するには、こういった様々な人と関わることになります。
自分や相手の立場によってトラブルの起こり易さは異なりますが、人と人が関わるうえでトラブルの可能性が皆無なんてことはありません。
様々な不動産のトラブルがありますが、それぞれ回避できるものもあります。
なるべく自分がトラブルにあわないように、不動産の売買などの際には注意が必要です。
今回は中古住宅を購入する際にトラブルを回避するためどんな箇所をチェックすべきかお伝えいたします。
まず、外まわりを見てみましょう。
コンクリートにヒビがないかどうか。
もしヒビがある場合は基礎の問題や地盤の問題が考えられます。
元々はどんな土地だったのか、一度確認してみましょう。
また、どんなに家の中がキレイでも外観がきれいでも基礎の部分がしっかりしていないと家として価値がないと思います。
基礎の部分には換気口がありかどうか確認して、床下も開けて見せてもらいましょう。
床下にカビの臭いがある場合は土台が腐食している可能性があります。
基礎である部分が腐食してきていれば、家として失格ですね。
また床下を見ることで手抜き工事が発覚することもあるでしょうね。
室内の壁に、ひび割れなどがないかも確認できますね。
天井裏も確認してください。
手抜き工事を発見することがあります。
売り主には嫌がられるかもしれませんが、その確認を怠ったために、あとでトラブルにあってしまっては大損害です。
もちろん設計図なども見せていただき、よく確認してください。
とにかく焦って契約しないことです。
自分が納得できる物件かどうかよく考えて契約してくださいね。
それがトラブルを回避する最善の方法です。
不動産のトラブルでよくあるのが境界線のトラブルではないでしょうか。
どうして境界線がトラブルの元になるのでしょうか。
まず、もともと土地の区画や地番は、測量技術が今のようでない時代に公図が作成されたことが原因のひとつです。
公図とは課税目的のものですが、その場合は課税される土地が少ないほうが税金をより安くおさえられますので、実際の面積よりも少なく申告する場合が多かったようです。
ですから、実際の土地と公図とでは違いが生じている場合があります。
また、逆に土地が高くうれるような場合がどうでしょう。
反対に少しでも広い土地を自分のものと主張したくなりますね。
安価な土地なら、ほんのわずかではもめませんが、高いところになると、ほんの何センチで問題になります。
境界線の少しの違いで資産価値が全く違ってくることがありますので注意が必要ですね。
また、境界線って何か線が書いてあるわけではないので、境目ってどこなのがはっきりわかりませんね。
たとえば、中古の家を購入しようと思ったら、境界線がどこなのかを必ず確認しましょう。
お互い親しく仲が良いときは気にしないことも、お金がからむようなことや、なにかのきっかけで仲違いしてしまった場合は、トラブルの元です。
はっきり境界線がわからない場合は、必ず相手と相談して測量しましょう。
土地に面している人の確認を得ると、測量済みの書面をいただけます。
境界線トラブルに会わないためにも、きちんと土地に面している人に立ち会いしてもらって測量しましょう。
こうして何度か続けて不動産トラブルとその解決法をご紹介していますが、トラブルにみまわれないためには、そもそもの契約当初から注意していれば避けられた・・・というようなトラブルは多いです。
しかしそうはいっても、考え得る不動産トラブルは多数ありますね。
多数あるということは、逆に思いもよらないトラブルが生じる可能性もあるということです。
筆者である私自身も、これまでに多くの不動産トラブルを見かけてきましたが、ありがちなトラブルもあれば珍しいトラブルもあります。
結論を述べると、不動産トラブルというのは不動産の種類や立地、個人の生活スタイル、環境など、様々なことが要因となって起こります。
そのため、どんな不動産トラブルが起きるかなんてことは、結局のところ起こってからでないと判らないものなのです。
身も蓋もない意見ではありますが・・・
こうして不動産の事例をいくつか知ったとしても、これらと全く同じトラブルはなかなか起こるものでもありませんからね。
もしトラブルが起こってしまった場合は、どのように対処すれば良いでしょうか。
誰もが、業者等に何としても責任を追及して賠償金を支払わせたいとやっきになるのではないでしょうか?
お気持ちは分からなくもないのですが、どうかまずは冷静になってください。
感情的になって責任を問うただけでは、目的は果たせません。
不動産に関しては、当然ながら業者の方が知識が豊富なので、こちらはただ不満を述べているだけになってしまいます。
トラブルの対処は、まずはこちらも専門家を頼ることが先決です。
第三者の目で見て意見をもらうべきでしょう。
その上で、より良い対処法を指導してもらいましょう。
不動産トラブルの事例は実に様々です。
これまでは借主と貸主(不動産業者や大家さん)の間に起こったトラブルを取り上げてきましたが、トラブルが起こるのは何も個人と業者の間だけではありません。
個人と個人の間で・・・つまり、入居者同士や近所・隣人との間でもトラブルが起きる可能性が多々あるのです。
特に多くありがちなのが、以下のような騒音のトラブルですね。
Q:真上の階がうるさくて仕方がありません。
子供が走り回る足音くらいなら我慢できたのですが、真夜中に洗濯機や掃除機をかけているようで、さすがにいかがなものかと思います。
夜熟睡できないときもありストレスにもなるので、引っ越そうかとも思っているのですが・・・
A:他入居者がたてる騒音が気になるとどうしても直接注意したくなるかと思いますが、それこそ大きなトラブルの種となってしまうので、まずは大家さんや管理会社に相談してみましょう。
そうすれば、いずれその原因の入居者へ注意がいきます。
前入居者に対して注意書きが配布されることもあります。
それでも改善されないのであれば、再度大家さん等に連絡してあまりにひどい場合は出て行ってもらうよう勧告してもらうか、もしくは自分が引っ越すことを本気で考えるしかないでしょう。
ですが、騒音は誰でもたててしまう可能性のあるトラブルです。
ストレスを感じているあなたが、他人にストレスを感じさせていた可能性はありませんか?
集合住宅であれば、音楽はヘッドホンをかけて聴く、子供がいるなら1階に住んで厚めのカーペットを敷く、といった細心の注意を払わなくてはなりません。
不動産売買の一連の流れの中に、重要事項説明(略・重説)というものがあります。
これは契約前に必ず行われるもので、仲介業者にとっても買主にとっても必須のことです。
今回はこれに関する不動産トラブルです。
Q:一戸建てを買う契約をしたのですが、改めて考えてみるとその物件をあまり気に入ることができません。
契約解除したいのですが、重要事項説明もあまり理解できていなかったため、解除できるか気になります。
A:この場合、契約の解除はできても手付金は返ってこないでしょう。
もし重要事項説明がおざなりになっていたら、それは仲介業者のミスのため手付金が戻ってくる可能性がありますが、そういった場合を除くと基本的には契約解除はできないのです。
多くの人にとって不動産はあまり関わることのないものです。
重要事項説明を受けてもすぐに理解するのは難しいかもしれませんが、だからといって理解を怠ればそれは買主のミスとなります。
自分のミスなのに、自分の好みで契約解除などという都合の良いことは行えません。
どんなに時間や手間がかかろうとも、重要事項説明は必ず理解してください。
判らない点があれば、ひとつひとつ質問して確認しておくことも大切です。
重要事項説明を完全に理解した上で、契約するかどうかをしっかりと考えて判断しましょう。
~契約解除・取り消しが可能な例~
①規定に基づいての解除
・契約違反の場合
・クーリング・オフ
・瑕疵担保責任
・消費者契約法によるもの
②話し合いによる合意解除
③手付金を放棄しての解除
④詐欺・錯誤等による解除
退去の際、暮らしているうちに自然と付く傷み等にかかる現状回復費に関しては、借主が負担する必要はありません。
借主負担となるのは、故意や不注意で付いた傷、また掃除等を怠ったがために残ってしまった汚れに対してです。
では、退去以外のトラブルの場合ではどうでしょうか。
Q:給湯設備やエアコンが修理してしまった場合、取り替えはどうすれば?
A:結論からいうと、入居中の修理・修繕に関しても自然消耗と考えられるのであれば無償で直してもらえます。
もちろん、直してもらえるのは部屋の設備のみで、入居者の私物はそれらに含まれませんが。
部屋の設備にはいろいろありますよね。
バス・トイレ、給湯設備、ガスコンロ、洗面台、エアコン、照明、収納等々・・・
これらに不調が見つかった場合は、なるべく早く大家さんに連絡するなどして修理してもらうようにしましょう。
どれも生活必需品ですし、設備によっては事故の原因にもなりかねません。
これらが自然消耗による故障でしたら無償で直してもらえるので、安心して大家さんに連絡しましょうね・・・と言うよりも、むしろ何はともあれ大家さんに連絡しなくてはなりません。
もし自分で業者に頼んでしまうと、大家さんは物件の現状を把握できませんし、逆に余計なことをしたとして更なる現状回復費が必要になってしまうおそれがあります。
次のような話を聞いたことがあります。
エアコンの排水ホースが何かで詰まっていたため、エアコンから水が滴り落ち、その下のカーテンにシミができてしまった人がいました。
この場合、カーテンは私物ですが原因はエアコンにあるため、その人はエアコンの修理ばかりかカーテンも大家さんに交渉して弁償してもらったそうですよ。
不動産トラブルに特に多いのが、賃貸物件の退去時に起こる敷金トラブルです。
敷金は退去から次の入居者が入るまでに必要となる現状回復費に充てられるものですが、返ってこないものではありません。
現状回復の項目のうち、生活していれば自然と損耗してしまうことに関しては貸主負担であり、借主負担(敷金が充てられるもの)は借主の不注意や故意にできた損耗に関してとされているのです。
Q:貸主負担と借主負担の違いって?
A:国土交通省によって示されている現状回復に関するガイドラインがあります。
ただし以下はあくまでも基準であり、法で定められているものではありませんのでご注意ください。
貸主負担の例
・家具を置いていた箇所の床・カーペット等のへこみ
・日焼けによるクロス・畳等の張り替え
・柱や壁の画鋲・押しピン等の穴
・トイレ・キッチンの消毒
・冷蔵庫やテレビを置いていた箇所の壁の電気焼け
・フローリングのワックスがけといったハウスクリーニング
・浴槽の取り換え(破損・汚損していない場合)
・鍵の交換(紛失・破損していない場合)
借主負担
・引っ越し作業時のフローリング・クロス等の傷
・トイレ・バスルーム等のカビ・水あか
・結露や飲みこぼし等によるカーペットのシミ・カビ・腐食
・雨の吹き込み等によるフローリングの色落ち
・手入れ不足や適切でない扱いによる設備の破損・故障
・壁のビス穴・釘穴等による下地ボードの張り替え
・キッチンの油汚れ
・ペット飼育による壁・柱・床等の傷
不動産に関するトラブルは起こりやすいものです。
賃貸契約や不動産売買は頻繁に行うことではないので、ほぼ素人知識のまま実践することになるためですね。
不動産トラブルにはどんな例があるのでしょうか?
特に起こりやすい不動産トラブルとは?
また、もしトラブルが起きたらどうすれば?
それら不動産トラブルに関することを、Q&A形式でお届けしていきます。
Q:中古住宅を購入する際、家に取り付けられている照明器具はそのまま引き継げるということを前所有者から聞いていたのに、リフォーム後には全て無くなってしまっていました。
A:通常、中古住宅の引き渡しにあたっては新築時の状態に戻すというのが原則となっています。
照明器具等の設備を引き継ぐのであれば、付帯設備表を売買契約に添付しなくてはなりません。
前所有者との口約束だけに留まらず、こういった書類上の契約も省略せずに行うべきです。
不動産を売却しようとしている人というのは、往々にして買おうとしている人にとって利点になりそうなことを言ってしまいがちです。
また、見学者が何人もいると、誰に何を言ったか覚えてはいられません。
すると、引き継ぎの約束を忘れて使えそうな設備は持って行くなんてこともあります。
こういったトラブルを避けるためにも、記憶や口約束だけを頼りにするのではなく、正式な契約として書類に残すことが重要です。
約束を証明できる書類がなくては、責任の追及さえできませんからね。
契約に関することはどんな些細なことでも省略しないようにしましょう。